宗教について 〜 人の生と死を考える 注103

公開: 2023年4月3日

更新: 2023年6月12日

注103. 男尊女卑

中国では、昔から男性の倫理や徳については語っても、女性がどのように考え、生きてゆくべきかについては、議論する意味がないと考えられてきました。似たような考えは、ヨーロッパにも古くからありました。古代ギリシャでも、市民は、「男」だけであり、「女」は、市民とは見なされていませんでした。なぜ、そのような考え方が生まれたのでしょうか。

男は、普通、攻撃的で、力が強く、戦いでは、敵と戦うことが必要であるとされていました。女は、市民の男たちが他の国の兵士と戦って、負けた場合は、男たちに従って、勝った国の奴隷にされました。女は、男と違って、直接、戦わなかったことが、市民と考えられなかった理由だったのでしょう。ただ、古代エジプトの社会を見ると、まれに、女性の王が国を支配した例があることも事実です。クレオパトラは、そのような例の一人です。

古代の日本の社会は、中世以前のヨーロッパの社会や、古代中国の社会に比較すると、社会における女性の位置が高かったと考えられています。天皇家の祖先や、古代の天皇の中には、女性が珍しくはありませんでした。ところが、中国の文化の影響を受けるようになったためか、奈良時代以後の日本社会は、男性が支配する社会になってゆきました。そして、江戸時代以後の日本社会は、男性優位の社会に変りました。

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